2012/07/09

「チャイナ・ジレンマ」と宋教仁路線

チャイナジレンマは外務省で東アジアの外交を仕切っていた著者が現在中国の問題点、矛盾を論じた本。先日読んだ「脱・中国論」とも共通する部分がある。で、気になったのが政治的な路線対立の底流には、毛沢東思想(左派)と鄧小平理論(右派)の対立があるという話。左派はともかくとして、右派は経済成長、グローバルスタンダード、リベラリズムを志向するらしい。

しかし、六四事件の当事者である鄧小平がリベラル志向だったと言われても素直には受け取れない。それが右派の立場の微妙さ(鄧小平に乗り切れない)に現れているそうな(「脱・中国論」の話題だったか)。むしろ、民国初期の「宋教仁-その他」の路線対立が緩慢に続いているというのが近いんでなかろうか。当時の民国では「大衆に選挙権を与えて共和制に移行したら、統制のできないカオスになる」という反対を受けながら、宋教仁が共和制を志向し暗殺された。「毛沢東-鄧小平」に加えて「宋教仁-その他」の2軸でプロットした方が深さを持てるんじゃないかと思った。まぁ、毛沢東寄りのリベラルって想像がつかんけど。

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