2012/11/10

裏面粒高

いつぶりか思い出せない卓球ネタ。そして、人の役に立つ気のしない粒高裏面打法についてのメモ。今日使ったのはエバンホルツNCT7とカールP3αr(OX)。

  • ラケット面を垂直くらいに立てて、当てるだけでもそれなりのブロックになる。
  • 手の力を抜いて当てると、死んだボールが短く飛ぶ。
  • ラケットを立てて横殴りに振ると角度打ちになる。意外にスピードが出る。
  • 球持ちが皆無なので、裏ソフトの裏面ドライブ(特に台上の)は抜本的に違う打法が要求されているように思った。
  • 表面での台上処理の体勢から、突然裏面フリックに移行できれば何度かは効くかもしれない。

カットブロックにするラケット操作をできる気がしないので、回転の反転(残転?)は全然気にしていなかった。ナックルにはなっていた気がするけど。

言霊USA




町山智浩の「USA語録」を読んだ。雑誌所収時のタイトルは言霊USAだそうだ。アメリカの時事問題を、キーフレーズと併せて紹介するコラム。フレーズの大半がお下品なので、実用性は乏しい。かわりに、社会問題に関わるフレーズが多いので、社会の勉強ネタにはなる、、、かな。
アメリカの深刻な政治対立も扱っている。日本人の目には声がデカいキチガイの問題にも見えるけど、社会保障を目の敵にする奴らや、排他的なキリスト教徒は少なくないらしい。そういう問題以上に興味深いのは、サラ・ペイリンがアイコンになっていることだ。まぁ、保守系アホ女のアイコンになるのが嬉しいとは思わないだろうけれど。

しかし、サラ・ペイリンって、要するに片山さつきの上下の口をだらしなくして鯖江製の眼鏡を装着したようなモンだから、珍しい存在でもないかもしれない。
しかし、sweaty ballsなるアイスキャンディの販売停止要求を扱ったコラムで、アイスキャンディを舐めるイラストのネタになれる人はなかなか得難いアイコンではあろう。

2012/11/09

『ユーロ破綻 そしてドイツだけが残った』


昨今世の中を騒がせているユーロ危機。その原因と今後想定される問題と展開を大恐慌研究を引きながら考察した本。曰く、大恐慌はアメリカで発生した不況が、第一次大戦後のヨーロッパの構造問題を一気に顕在化させた。構造問題というのは、第一次大戦後の体制がアメリカからの民間資本の流入無しでは維持できなかった事を指す。なんか、英仏がアメリカに借金を返すために、ドイツをドツイて賠償金を取り立て、ドイツは賠償金を払うためにアメリカに借金する構造だったらしい。倒錯的というか手の込んだ多重債務というか、アメリカ覇権前夜という感じではあるが。で、大恐慌と現在との共通点として、火はアメリカに油はヨーロッパにあり、油に火が移ってから状況が悪化することがある。では現在ヨーロッパの構造問題とは何か?本書はほぼ三文字で答える、「ユーロ」。

ではユーロが何故問題かというと、ドイツとスペインのような経済環境の全く違う国で金融政策を共有したら、誰にとっても適切な金融政策ではありえないことだろう。ドイツにとっては少し高い政策金利は、スペインには低かったためインフレ要因となった。で、ドイツで資金調達してスペインに投資するキャリートレードが行われ、リーマンショックでリスクに気づかれた今、大絶賛逆流中という。

現状で求められる対策はPIIGSの信用不安をユーロ全体でケツを持つ事で、必然的に最も経済状況の良いドイツの負担を必要とする。でもドイツはユーロを資金移動同盟には絶対したくないらしい。というか、経済成長のためには財政健全化が有効だと本気で思ってるらしい。結果起こることは、ユーロのドイツ帝国化と破綻だろう。そして、リーマンショックを第一波、ユーロ破綻を第二波として、もう一度大恐慌がおきる(かもしれない)

以下雑感。

今が大恐慌の時代に相当するとした場合、世界経済の中心/覇権がニューヨークからどこかに移動する状況であり、多分最後の局面にあるのだろう。問題は中心の移動というのは、経済世界を全て巻き込むレベルの苛烈な抗争を伴うことだ。まぁ、それも大概勘弁してもらいたいけれども、覇権抗争を行うのはどこだろう?ユーロ全部が沈むとすれば、南米、インド、中国、日本くらいが想定される。ここで、ジオカルチャー的側面に「中国化する日本」の「宋朝-江戸」の対立軸を持って、中国-日本の世界最終戦争が起こった日には「日本負けろ」というしかないなぁ。

2012/11/07

光圀伝



水戸黄門として名前だけは無闇に有名な人物を、青春の懊悩を基に再構築した大作。ではあるのだけれど、実際の水戸光圀の巨人さ加減を反映し、青春の懊悩の影響は甚大極まりない。この作品でも重要な位置を占める大日本史と水戸学は昭和まで至る尊皇思想の原点ともなる。ネタバレになるかもしれないが、光圀が冒頭殺すのは、明らかに自らの身から産まれた怪物なのだ。
青春小説の如くさらっと読ませて、こんなに恐ろしい歴史観を内包しているのは、おっかない話であるよ。1人の青年の中二病がこじらせすぎた挙げ句、一国の世界認識を制圧するんだぜ。