2016/08/18

帰化した卓球選手


タクシーなんて移民の仕事マンの戯言は傍に置くとして、考えるべき要素が3つあるだろう。

  • グローバリゼーションに伴う移民の増加
  • 中国の改革開放
  • 中国の経済成長
だ。うち前二者は中国からの帰化選手が世界に散らばるのを促進する方向に働く。思えば二昔前であれば祖国に比較的近い日本に帰化する選手も多かったのだ。パッと小山、東堂、羽佳、金沢あたりが思いつく。王輝に続く選手が思いつかないのは、「こんな勝つのが面倒臭い国に帰化する意味がない」からだろう。良いことだ。現在のようにヨーロッパに中国からの帰化選手が多数いる状況について、ヨーロッパ卓球の弱体化は一因かもしれないが、卓球選手以外の移民の増加もあるのではないか。帰化選手の相対的なレベルは下がっているので、移動のハードルを下げる要素があるのは確かだろう。

最後の経済成長による影響だが、おそらく帰化選手のレベルを下げる方向に働いているのではないか。と考えるのは、前世紀の帰化選手といえば、偉関、小山、高軍、陳静、陳新華といった錚々たる選手が揃っているが、最近の大物といえば李平@カタールくらいだ。李平はいい選手だよね。フォアにドイツラバーを貼った対欧仮想選手で、世界選手権や全中国選手権でもダブルス中心に活躍していた。でも、世が世なら広東省でコーチになった馬琳などが、日本リーグを年金リーグにしていたかもしれない。あまつさえ、うっかり馬林太郎になって偉関さんちの隣に卓球場を開業していたかもしれない、と考えてしまうのだ。

#年金リーグとしてのJリーグが如何に日本サッカーに貢献したか、という話でもある。

かような変化の要因として、経済成長により引退後の名選手に裕福な(ただし鉄飯椀ではない)セカンドライフを提示できるようになったことがあるだろう。劉、孔は見ればわかるとして、二王一馬はいずれも省チームのコーチになっている。

ここまでから、未来への悲観的な予想を挙げると、中国出身のトップ勢が国内に留まることにより、他国との技術力や戦術力の差が広がることが考えられる。正直に言うと、ベンチに座る劉国梁の存在だけでヤバい。具体的な対策はとても思いつかないけれど、中国人との真剣勝負の機会は重要性を増すと思われる。

最後にタクシー中略マンについて触れておくと、ウクライナ出身のオフチャロフや半分トルコ系のドイツサッカー代表に全く言及しないのは知的能力を疑われる端緒になるから気をつけたほうがいいと思う。