2012/08/06

新たな禁句「日本人はバックハンドが弱い」を提唱したい



ロンドンオリンピックの男子卓球は残念な結果だったわけだけれども(しかし岸川がシングルスでベスト8に進んだのを考えると悲観しすぎるのもどうか)、最後の岸川vs唐鵬戦はロッテルダムらへんからモヤモヤしていた懸念が現実になったようにも感じた。一言で言ってしまうと、「男子卓球の卓球DASH!化と、進化の方向を違えている日本」である。



「カウンターを叩き返して当たり前」「足を引くな、マッソーで支えろ」「押せば押せ、引けば押せ」なラリー展開は以前のそれよりも攻撃性が高く、それ故にハイリスクハイリターンとなっている。結果、ヤンキー漫画の喧嘩を暗喩的に卓球に導入した『卓球DASH!』と、現実の卓球がダブって見える不思議な世界が現出している。そこで、「まずブロックからラリーにする」「両ハンドをバランスよく」「無理せず繋ぐ」スタイルは首尾良く餌とされるばかりではないのか?という懸念だ。
そこで必要とされるのは「待たれていても一撃でぶち抜ける攻撃」だろう。大概の人はフォアハンドの方が強い球を打てるので、より多くフォアハンドを使うためのフットワーク、ボディワーク、戦術が重要だろう。というか、マックスダッペ(漢字失念)を必殺技とする張継科ですらフォアの方が強力なのだ。




そこから、現在の日本人選手に対しては「バックハンドが弱点」というのは有害無益な指摘ではないかと思ったのだ。バックハンド強化の優先度が極端に高かったのは、90年代以前のフォアハンド偏重へのアンチテーゼだからだ。たしかに20年前の日本卓球のスタイルはオールフォアで打つために打球点が下がり、攻撃力と対応力が失われる本末転倒スタイルとなっていた。しかし、今の日本のトップ選手は違う。バックハンドの技術面では遜色ない(ように凡人以下の俺には見える)。
現時点ではバックハンドを重要視するのではなく、「その時もっとも強い球を返すにはどうしたらいいか?」を重視すべきではないか。かつてオールフォア偏重を招いたのは日本人の技術フェティッシュだったが、現在の両ハンド偏重も技術フェティッシュが招いているんでないかなぁ。と思った。
フォアとバックのバランスに関する大好きな理論は呉敬平の「王皓にはフォアとバックを6:4で打つように指導します。馬琳には8:2にするよう指導します。理想的には6:4なんでしょうが、馬琳にそう言うと5:5になってしまいます」かな。つまり6割はフォアで打つように、怠け者の俺は8割フォアで打つ気持ちで動……けない気がするなぁ。

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